私は「コヒコクの危険」と称している。
社長になると。
コヒコクがつくのだ。
外資系はとくに部長職以上になると個室が与えられる。
個室に入った瞬間から、本当の情報が入ってこなくなる。
不当に拡大されるか、非常に縮小されるか、無用に歪曲されるか、あるいは理不尽に遮断されるかである。
だから、真の情報をケットするためには、自分で外に出かけなければいけない。
穴熊ではダメなのだ。
猟犬になる必要がある。
の切符の買い方もわからない。
ひどいのになると、パソコンの起動もできないという社長がいた。
外務官僚のように「自分の金はオレの金、役所の金もオレの金」となって、公金、私金の区別がなくなることである。
高価な美術品を購入したり、ゴルフ会員権を買ってみたり、その実、やるのは社長とその身内だけ。
中には「自分で稼いでいるのだ。
どこが悪い」と反論する人もいるかもしれないが、こういう丼勘定を社員が見ているのだ。
「不良債権の回収?そんなこと、どうでもいいよ。
どうせ、社長のふところに入るだけだもの」「オレもご相伴にあずかろうかな」と錯覚する人間が出てきてもおかしくない。
じつは、社風を損ねてしまうのだ。
金(売り上げ、経費)に対して、いい加減な体質を醸し出してしまう。
怖い。
いっぺんで会社がおかしくなる。
老化は足から、と言うが、じつは足が弱まると影響は頭に及ぶのだ。
証拠に、アメリカの経営者たちは「裸の王様になりたくなければ、MBWAしろ」と盛んに言う。
このMBWAとは、「ManageByWalking(歩き回ることによる経営)」ということである。
「現実からの遊離」こそが、社長を裸の王様にする諸悪の根元である。
街には情報がたくさん集まっている。
しかも、すべて一次情報ばかりである。
バラエティにも富んでいる。
時代のトレント、社会の変化、大衆の関心事、生きた経済のネタなど、街にはゴロゴロ転がっているのだ。
勉強せず、二次情報の新聞ネタばかり追っていて、ヒット商品の判断などできるのだろうか。
日本は金T郎飴、アメリカはサラダボウル(完全には混ざり合わない)と皮肉を言われるが、たしかに言い得て妙である。
いま、グローバルスタンダードという和製英語が幅を利かせているけれども、日本が門戸を開放していない分野に「人材」がある。
中国の瀋陽で発生した、北朝鮮亡命家族に対する日本総領事館の対応にすべてが凝縮されている。
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